2010年7月26日月曜日

まだまだアウトリーチが足りない

 最近本当に宅地診断の相談が増えてきました。特徴的なのは、マスコミ報道や防災関連の諸機関が題している情報をインターネットでみて不安になった、という相談がちらほら出てきたことです。先日も書きましたが、土砂災害防止法に基づく危険箇所が各県で公表されているのをみて、沢山あるから自分の家も"危険地帯”に属するのではないか。県が公表している活断層図を見たら、自分の家の近くに「地質断層」がある。地質断層は本当に地震を起こさないのか、地震ではなくても家屋の建築にあたって問題はないか(実際近いといっても5キロ以上はなれた小規模な断層でしたが、、、といったら、なぜその断層が小さいとわかるのかと聞かれ、、、)
 少し地形・地質を学んだ技術者なら、ああ、穏やかな斜面だなあ、と特に調べなくてもわかるんですが、情報洪水によっていろんな不安要素が撒き散らされています。防災は心理学ですから、不安があおられるとトコトンまで質問したくなる気持ちもわかないではありません。特にNHKや役所の情報は正しいとの思い込みもあるところへ来て、それらの情報のスケール(縮尺)と現場とのすり合わせが出来ないと、説得に時間がかかってしまいます。地質断層とは、地質図ってなに?とかなりそもそも論的なところから突っ込まれてしまいました。
 このあたりは、私たち専門技術者にとってのビジネスであり果たすべき役割でもあるのですが、まだまだアウトリーチが足りないと思います。

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